GoogleとMicrosoftの意図を推し量ってみる (その2)
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その1から時間が空いてしまいました。(スイマセン・・・)
さて、続きです。
◇素朴な疑問から導き出されるGoogleとMicrosoftの意図?
その1で紹介した事実を受けて、頭に浮かぶ素朴な疑問を2つ記し、それに対する答えを考える中でGoogleとMicrosoftの意図を探ってみることにする。
疑問1.MicrosoftはGoogle Chrome OSの発表をどう受け止めているのか?
⇒まず、ネット上でMicrosoftは終わったとか核爆弾を落とされたなどとも書かれている中、肝心のMicrosoftはどう受け止めているのか、素朴に疑問を持ち、いろいろと調べてみた。
すると、Microsoftの中の人で、クラウドコンピューティングやWebサービスを中心とした啓蒙活動を行っているエバンジェリストの砂金信一郎氏が、個人的見解として以下のように書かれているのを見つけた。(Chrome OSでマイクロソフトはGoogleの調虎離山に成功したか、それとも。。。)
Webの世界で圧倒的な強みを持つGoogleと、クライアントやエンタープライズサーバー領域で強みを持つマイクロソフトでは、そもそも得意とする戦場、地形が異なるのである。そして、多くの場合(まだ)本格的には競合していない。(今朝の日経記事含め、競合したらおもしろいだろうな、という外からの期待感が実状以上に盛り上げているにすぎない)
そのような状況の中、Googleの方からクライアントOSの領域に飛び込んできてくれた。表向きWeb用OSとはいいながらも、ネットブックで動かすれっきとしたクライアントOSであり、虎が山からおりてきたのである。
(中略)
そして、タイミングがビミョーだった。もしVistaとXPの狭間で苦しむマイクロソフト相手であれば、つけいる隙もあったかもしれないが、もはやWindows7のローンチに向けて業界を挙げて取り組みを進めている最中である。
あと1年早ければ、戦局を左右したかもしれない、と、ゲルググ量産化計画のような言われ方を後にされるかもしれない。ちょっとだけ、間に合わなかったかもしれない。
ただ、せっかくWebの世界から飛び出してきてくれたGoogleに対し、無双モードで圧倒するというのも長期的に広い視野で見るとあまりよい戦略ではないかもしれない。Googleには、彼らにしかできない役目を、業界の中で果たしてもらいたいものである。(赤字は筆者)
砂金氏の見解としては、Google Chrome OSの発表は遅く、Windows 7の脅威にはなりえない、ということなのだろうし、絶対の自信となるMicrosoft側の「次の一手」についても、何か含みを感じる。
これと同様の見解を、昨年のGoogle Chromeブラウザ投入時にも、米国Microsoftのビジネス部門担当プレジデントであるスティーブン・エロップ氏も語っている。(ソフト+サービス戦略はすでにグーグルを「敗北させた」)
すでにマイクロソフトのS+S戦略は、クラウドだけを推進するグーグルのアプローチを敗北させました。グーグルが開発した独自ブラウザの「Chrome」がその証拠です。
なぜグーグルは、それまで支持していたFirefoxではなく、独自のブラウザを手がけるようになったのでしょうか。世間はこれ以上、新しいブラウザを必要としていなかったというのに。
グーグルはブラウザを作りたかったのではなく、利用者の手元にある機器の処理能力を活用する必要があると気付いたんですよ。いわばS+Sの動作環境を求めていたのです。
例えば文書作成アプリケーションの「Google Docs」を快適に利用するには、ネットにつないでいない状態でも利用できるよう、ローカルにデータを一時蓄積する必要がありました。しかしWindowsに依存する環境を作るわけにはいかなかった。そこで彼らは、ブラウザという名称を付けてはいるものの、新しいプラットフォームとしてChromeを作ったのです(本誌注:Chromeはオフライン動作を可能にする技術「Gears」を標準搭載している)。(赤字は筆者)
この発言からも、ウェブの世界から飛び出して来た(砂金氏の言い方では「虎が山から下りて来た」)Googleに対して、Microsoftの圧倒的優位を信じて疑わない姿勢が見て取れる。
つまり、1つめの疑問である、Microsoftの反応については、「かなり冷ややかに見ている(=動じていない)」と考えて良いのではないだろうか?
疑問2.Googleはなぜ、この時期に発表したのか?
⇒では、逆にGoogleはなぜ、7月8日という日を狙って、まだデモも見せることの出来ない段階のOSを発表したのだろうか?
この疑問については、7月7日に、Microsoftが日本国内におけるWindows7の正式発売日を決定(10月22日)したとアナウンスしたことを受けているのではないかと、考えることもできるだろう。
しかし、それよりも、以下の記事で書かれているように、週明けの7月13日にMicrosoftが発表すると噂されているOfficeのクラウド版を意識してのことだと考えた方が自然なのではないか?(なぜ今Chrome OS? Microsoftは週明けにOfficeのクラウド版を発表するもよう)
来る月曜日にニューオーリンズで開催されるMicrosoftのWorldwide Partner Conferenceで、どうやらクラウド版のOfficeの詳細が発表されるらしい。ローカル・コンピュータに一切ソフトウェアをダウンロードすることなく利用できる完全ウェブ版のOfficeだ。
Chrome OSの発表の直後、Microsoftの元社員だったRobert Scobleが、ウェブ上のお気に入りの本拠、FriendFeedで「キミらは知らないだろうけど実はね…」というセッションをやっていた。そのやりとりの中でScobleはMicrosoftが月曜日に予定している発表の内容についてふんだんにヒントをばらまいた。「いやそうじゃなくて、Microsoftの本業に関係ある話だよ。Microsoftの140億ドルのビジネスさ 」などと言っている。もちろんMicrosoft Officeのこと以外ではありえない。
2と2を足すくらい明白な話だ。一部のブロガーはすでに推測を口にしている。Scobleは月曜日の発表は、コードネームGazelleという開発中の新しいブラウザの話ではないとしているから推測はいっそう容易だ。Scobleはまた「Microsoftが発表するのはIEだけでなくさまざまなブラウザで動作する製品」だと言っている。
そうなればこれはどうしても去年のPDCで噂が出ていたOfficeのウェブ版ということになる。(緑色は引用元記事のリンク<ママ>)
この記事が事実とすれば、本日7月13日中に、WPC09の内容が報道されるはずなので、そこで確認することが出来るだろう。そうであれば、Googleは、Microsoftの動きも先回りして手を打ったということだと考えてよい。
その意味では、やはり、「Googleは本気でMicrosoftを殺す気でいる」と考えて良いのだろう。
◇その他、気になること
最後に、本論とは関係ないが、個人的に気になることを3点、おまけとして記しておきたい。
1.Appleはどう動くか?
⇒GoogleとMicrosoftの動きにAppleが関係あるのか?と思わなくもないが、Appleの取締役にも名を重ねているGoogleのCEO エリック・シュミット(Eric Shmidt)の動向に注目したい。
シュミットが万一、Appleの取締役を辞任するということがあるならば、Appleも何か手を打ってくると考えても良いのだと思う。(例えば、独自開発のネットブック”MacAir nano“の発表とかw)
2.HTML5が標準化されるのか?
⇒Googleが強力に推し進め、Microsoftがその動きに懸念を示しているHTML5について、今後、標準化されていくのかどうか、興味を持って見て行きたい。(参考:Google I/O 2009 レポート)
3.Windows Azureはどう展開するのか?
⇒Microsoftが取組んでいるクラウド戦略 “Windows Azure“が、今後どのような展開を遂げるのか、Googleとの対比の中で見守って行きたい。





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